適切なリブ設計は、製造性とコスト効率を保ちながら部品の強度を最適化するうえで欠かせません。リブを戦略的に配置すると、反りを防ぎ、独立した形状を支え、材料使用量を削減し、金型内の樹脂流動を改善できます。ただし、効果的なリブを設計するには、材料特性、成形プロセス、設計原則を十分に理解する必要があります。
この記事では、リブ形状、材料選定、設計ガイドラインなど、射出成形におけるリブ設計の基本を詳しく解説します。これらの要点を押さえることで、エンジニアや設計者は、強度要件を満たすだけでなく、生産効率と製品品質も最適化する部品を設計できます。
リブとは?
リブはプラスチック射出成形における重要な設計要素です。全体の肉厚を増やさずに、部品の強度と支持性を高めます。
リブとは、射出成形部品の壁や平面に対して垂直に伸びる、薄い壁状の構造です。部品を支えて剛性を高め、肉厚を増やさずに強度を向上させるほか、厚肉部の代わりに用いることで、ヒケ、反り、ボイドなどの不具合を避ける役割があります。
金型設計におけるリブの役割とは?
射出成形におけるリブには、プラスチック部品の設計で重要な役割がいくつかあります。
- 反りを防ぐ:リブは薄肉部分を補強し、反りを防ぎます。厚肉部は冷却にむらが生じやすく、内部応力が発生して反りにつながることがあります。リブを使えば壁を薄くして均一に冷却できるため、反りのリスクを抑えられます。
- 他の形状を支える:リブは、締結点として使われるボスなど、独立した形状を構造的に支えます。こうした形状の強度を保つには追加の支持が必要です。リブを側壁につないだり、側壁から離れている場合に補強として用いたりできます。
- 材料使用量を減らす:リブを適切に配置すれば、部品全体の厚みを増やすことなく、重要な部分の剛性を高められます。必要な強度を保ちながら材料使用量を抑え、軽量化を実現できます。
- 金型内の樹脂流動を改善する:適切に設計されたリブは、溶融樹脂が金型内を流れやすくし、充填性を高めて不具合の発生を抑えます。樹脂流動の改善と強度向上を両立できるため、リブは重要な設計要素です。
リブとガセットの違いとは?

ガセットは、構造物のコーナーや壁、接合部を大幅に強化する補強材です。応力を受け止めて均等に分散させる、特別なリブのようなものと考えるとよいでしょう。
一般に三角形や長方形のガセットは、部品をつなぐ強固な接合部として機能し、接合部分をより安定させます。
ガセットは、斜材をつないで大きな荷重を支える橋(トラス梁)や建物(耐風ブレース)などによく使われます。また、プラスチック製品の弱い部分を補強する用途にも用いられます。
まとめると、リブもガセットも部品の構造強度を高めるために使われますが、リブは主に平面を支えるのに対し、ガセットは異なる部品同士の接合部を補強します。
プラスチックリブの設計ガイドライン
リブの厚み
リブの厚みは、基準となる肉厚の60%以下にします。光沢のある材料では、表面不良を避けるため40%まで薄くする必要がある場合があります。リブが厚すぎると反りやヒケが生じやすくなり、薄すぎると樹脂の粘度によって十分に充填されないことがあります。
リブの厚みを変える必要がある場合は、応力集中や冷却むらによる反りを抑えるため、厚みを段階的に変化させます。また、厚みを変える部分の長さは、厚みの変化量の少なくとも3倍を確保してください。
リブの中抜き
厚いリブを避けられない場合は、中抜き加工によって不具合の発生リスクを低減できます。
リブの高さ
充填不足を防ぐため、リブの高さは厚みの3倍以内に抑えます。必要に応じて、大きなリブを1本設ける代わりに、小さなリブを複数設けてください。
リブの間隔
リブを複数設ける場合は、基準となる肉厚の2~3倍以上の間隔を空けます。千鳥状に配置すると、冷却時の反りを抑えられることがあります。
リブの抜き勾配
部品を容易に離型できるよう、0.5~1.5度の抜き勾配を設けます。抜き勾配を付けないのは、クラッシュリブに限ります。
リブの付け根のR
応力集中を抑えて強度を高めるため、リブと底面または側壁の交差部にRを設けます。Rは通常、肉厚の0.5~1倍が目安です。
交差角度
リブは必ずしも側壁と90度で交差させる必要はありません。角度を付けて交差させると、リブの厚みを増やさずに剛性を高められます。ただし、交差部が厚くなりすぎると反対側の表面にヒケが生じるため、注意が必要です。
リブの材料には何が使われる?

射出成形部品のリブに使う材料は、強度、柔軟性、耐環境性など、用途ごとの要件に応じて選定します。
リブによく使われる材料は次のとおりです。
- ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン):
- 優れた耐衝撃性と靭性で知られています。
- 強度と剛性が求められる用途に適しています。
- ポリカーボネート(PC):
- 高い耐衝撃性と透明性を備えています。
- 透明性と靭性が求められる用途に使われます。
- ポリプロピレン(PP):
- 優れた耐薬品性と柔軟性を備えています。
- 耐疲労性と低吸湿性が求められる部品に最適です。
- ナイロン(ポリアミド、PA):
- 高い強度と耐摩耗性で知られています。
- 機械的な応力にさらされ、耐久性が求められる部品に適しています。
- PBT(ポリブチレンテレフタレート):
- 良好な耐薬品性と寸法安定性を備えています。
- 自動車や電気機器の用途に使われます。
- ポリスチレン(PS):
- 良好な剛性を備え、加工しやすい材料です。
- コストを重視する、比較的要求水準の低い用途に適しています。
- ポリスルホン(PSU):
- 高い耐熱性と耐薬品性で知られています。
- 耐熱安定性と靭性が求められる用途に使われます。
効果的なリブ設計は、強度と効率に優れた高品質なカスタム射出成形部品を実現するうえで重要です。この記事で紹介した原則を理解して適用することで、エンジニアや設計者は、材料使用量と製造性を最適化しながら、プラスチック部品の構造強度を大幅に高められます。リブ付き部品を開発中ですか?見積もりをご希望の場合は、設計データをお送りください。






